スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

情報は外からと内からで得るもの@講演録:進路と『孫子』(29)

 当然ですが戦う上において情報は死命を制すると言っていいほど大切です。『孫子』でももちろん重視しています。テキスト()ページ()行目です。


明主賢将の動きて人に勝ち、成功の衆に出ずる所以の者は、先知なり。




 優れた人が勝ちを収めて抜きん出た成功を得るのは『先知』、つまり先に知るからだ。そう言っています。他人よりも早く、情報を仕入れるという意識は進路選択においても不可欠でしょう。なぜなら、ある進路に進もうとしているのは自分だけではない、少なからず競争相手がいますから。
 そこで『孫子』では情報を得るために、スパイの存在とその扱い方を重視します。テキスト()ページ()行目です。


生間なる者は反[かえ]り報ずるなり。 郷間なる者は其の郷人に因りてこれを用うるなり。内間なる者は其の官人に因りてこれを用うるなり。反間なる者は其の敵間に因りてこれを用うるなり。死間なる者は誑[きょう]事を外に為し、吾が間をしてこれを知って敵に知らしめ、もって敵に待つ者なり。




 時代劇を見る人なら知っていると思います、間者という言葉がありますよね。スパイのことを昔の言葉でこう呼びます。今読んだ一節に『生間』とか『郷間』など、5つの『間』出てきますが、これは間者の『間』です。すなわち、この一節は5種類のスパイについて述べたくだりです。
 スパイの話なんて進路に何が関係あるのかとお思いでしょう。いやスパイは直接関係はありません。ただ、ここで読んで理解してほしいのは、その5種類のスパイの内、『生間』と最後の『死間』はこちらから潜り込ませるスパイですが、残り3つは相手側の人間なんですね。この意味、理解できますか。
 おそらくこういうことに関心のない人は普通、スパイって優秀なエージェントをこちらから潜り込ませると思うじゃないですか。しかし、これは現代の世界でもいえるのですが、有力なスパイというのは相手側の内部の人間です。こちらから送り込んで潜入捜査みたいに内部の人間のフリをさせるのではなく、最初から本物の内部の人間を何らかの形で裏切らせてこちらのスパイにしてしまうのです。これは外交・軍事の世界では常識です。それでそれが進路に何の関係あるのかということですね。
 先ほどの『孫子』の一節によると、5種類の内、2種類はこちらから送り込んだスパイで、3種類は内部の人間がスパイになったもの、そして内部からのスパイの方が多いとのこと。すなわち、情報には、外部からと内部からの二つの方向から得たものが必要だということ、そして内部からの情報がより重要だということです。
 実際に『孫子』でも内部情報、特に相手のスパイがこちらに寝返って情報を提供してくれる『反間』を最重要視しています。テキスト()ページ()行目。


反間は厚くせざるべからざるなり。




 『反間』は厚遇しないわけにはいかないと言っています。それくらい内部情報は大切なのですが、皆さんもこのことを頭では分かっているでしょう。ところが、実際に内部情報を得る努力をしている人は少ないです。


プロフィール

饗庭 悟 : AEBASATOL

Author:饗庭 悟 : AEBASATOL
自己紹介

☆お問い合わせは
aebasatol@yahoo.co.jp

カテゴリ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。