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人生を賭け事にしない@講演録:進路と『孫子』(46)

 よく考えたら受験は、競馬や競輪と同じ賭け事です。博打です。そう、「勝負ごと」です。受験料というお金を払って馬券のように受験票をもらって、もし合格すればその受験票は額に入れて飾りたくなる代物ですが、不合格なら競馬場でよく見かけるあの放り投げられる紙くずとなります。もちろん、競馬・競輪でハズレるのと同じく賭けられたお金は一円も返ってきません。
 いや競馬・競輪はまだマシです。お金を失うだけですから。受験の場合、競馬・競輪以上に「勝負ごと」です。勝負の「負」は負けるという意味です。「負」けるとは、まさに「負担」の「負」、「負債」の「負」、まさに不合格とは背「負」わされるということです。何を?不名誉を、割り切れなさを、浪人なら一年間の時間と経費を。とにかく何らかの形で、負けた責任を「負」わされます。
 いや、生きていたなら誰でも「勝負ごと」に何度か挑まないといけません。しかしそれでも、その「勝負ごと」に対してきちんとした戦略とそれに基づく判断、感情に左右されない判断があれば、それは「賭け事」にはなりません。受験で言うなら、きちんと戦略的に受験校を組み合わせること。自分の実力に従って、そう、いいですか、自分の現実的な力に素直に向き合ってということですよ、そういう風に自分の実力に従って、それに見合う形で合格「できる」ところを中心に受験する。決して、志望校といった自分の受け「たい」ところ、自分の通い「たい」ところ、そればかりを受験しない。行く気のないところは受けないという若者は多いですが、行く気があろうがなかろうが、その学校の偏差値が自分の実力に見合うところならば受験すべきなのです。負けたら、自分のその身をもって責任を「負」わされるわけですから。
 第一、受験は何が起こるか分かりません。余裕で受かると思っていたところで不合格になったという人を私は何人も見ました。君の志望度があまり高くなく、渋々スベリ止めとして受験したところで不合格になることだってあるんです。そのとき、君には『この大学に行く気はあまりない』という資格はありません。大学の側から『君は要らない』と言われたわけですから。入学する資格を得て初めて『行く気がない』と言う権利、選択の権利が得られるのです。これは就職活動でも同じです。
 つまり、何が言いたいかと言うと、君の気持ちなんて現実に照らせば関係ない、君が勝利して選択の権利を手にするまでは、君の感情を表明する余地などない、ということです。その感情すら、ちょっとした事ですぐに変わるというのは先ほども述べたとおりです。
 そんな好悪の感情によって進路を決めないでほしいと訴えているのです。好き嫌いとかではなく、自分の実力に応じて進むべき進路を決める。もちろん、自分の実力は高めないといけません。しかし、その結果に素直に従ってほしいというのです。その方が返って自分の望むものが手に入りやすいのです。
 なぜなら、今の自分の現実を素直に受け入れるということは、次のステップへと上がる足場を固めたことになりますから。
 心配せずとも、自分の実力や品格に見合った世界に身を置けば、外にいたときは『行きたくない』と思っていたとしても、やがて感情は変化して、それなりについていけるものです。そして、その先に自分の幸福は待っているのです。もう一段高い充実感・幸福感を目指すにしても、まずは今の現実に素直に従う、そんな過程が必要だということは理解していただきたい。
 その意味で下手に戦おうとしない。勝負しようとしない。受験で言えば自分の偏差値に従って、その力で余裕で合格できる大学を中心に戦略を立てる。何か一つ不合格を食らってもすぐにリカバリーできる態勢が取れるような受験校・受験方式の組み合わせを考える。
 すなわち、勝つべくして勝つ。全体で見れば戦ったことにならないほど余裕で勝つ。戦わずして勝つ。
 そうして足場を完全に固めたうえでのチャレンジ、自分の力がギリギリ及ぶかどうかの場所での勝負、「賭け事」、それならまだしてもいいかなと思います。
 ですが、背伸びして自分がまったく付いて来れない大学や職場に入ってしまった若者の悲劇を何度か見ている私としては、当然どんな人かにもよりますが、入った後も「戦わずして勝てる」ところに入ったほうが良いのではないかと思います。
 その意味でも私は、人生を賭け事にはしない、その方が良いと思います。

(了)


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饗庭 悟 : AEBASATOL

Author:饗庭 悟 : AEBASATOL
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