スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

公務員試験:文章理解の古文は捨てるべきか、対策するとすればどうすればよいか。

 誤った情報があまりに流布されているので、自分の著作とは別にこのHPでも述べおく。
 公務員採用選考における教養試験(基礎能力試験)の対策として、例えば自然科学の諸科目など、1問しか出題されない、多くても2問、という科目は勉強の費用対効果が悪すぎるということで、捨て科目とされる。
 よって、文章理解の古文は、地方上級・市役所上級・大卒警察官での筆記試験にのみ出題され、尚且つ1問しか出題されないので、捨て科目とされる。

 このことについて、『公務員試験 スピード解説 文章理解』(実務教育出版)の著者として、そして大学受験予備校で長く古文を講義していた講師として、以下のように意見する。

 古文についてはこの費用対効果なることについて、2つの大きな誤解がある。

 ひとつは、古文の勉強量。費用対効果が低いというからには、前提として勉強する事柄がたくさんあることになるが、実は公務員採用選考での古文は、点数を取るための勉強項目が驚くほど非常に少ない。
 大学受験と違い公務員採用選考では、古文に対する総合的な読解力を試したいという欲求が出題者にはなく、古文を志望者の情報処理能力を試す単なる一材料としてしか捉えていない(著作権の許諾をとらなくていいアリガタい文章としか捉えていない)ので、本当に最低限の知識で正解に至るよう工夫して作問されている。
 では、その最低限の知識とはなにか。実は、その最低限の中に「古文単語」は入っていない。大学受験の時に形容詞・形容動詞を中心に古文単語を覚えたと思うが、「はづかし」や「いとほし」や「おろかなり」といった古文特有の意味を持つ単語は出題されない。これは少し語彙力が問われる英語(文章理解)とは対照的だ。
 そして、その英語ですら文法の知識は必要ないのだから(専門試験で英語を選択する場合は必要)、ましてや古文では文法も必要ない。
 ということは、あの敬語、平安時代の作品を読むときには必須の尊敬語・謙譲語の用法を理解することすら必要はない。
 では何が必要なのかといえば、否定語・強調語・主張や願望を表す語・逆接を表す語、これらだけでよい。これは英語で言えば、not、very much、mustやwant、butやhowever、これくらいは知っておいてね、と言っているようなもの。余りに基本すぎる事柄だ。ゆえに量もごくわずか。これだけで、あとは現代語と類似する言葉に対して反応しておけば、現代文(文章理解)と同じように解ける。もしかしたら、人によっては英語(文章理解)よりも点数が取りやすいと感じるかもしれない。
 というわけで、その最低限の知識はスグに習得できる。詳しくは、、『公務員試験 スピード解説 文章理解』のP.313を参照してほしいが、1ページにも満たない知識で、1問、点数を確保できるのである。その習得時間は長くても15分だろう。ましてや、普通の大学生・既卒生なら高校時代に一度は見たことのある知識ばかりなので尚更手間はかかるまい。15分以下の勉強で、あとは過去問を何問かやっておけば力が付くのだから、やらない手はない。

 費用対効果についての一つ目の誤解の話が長くなった。もう本当はここで止めてもよいのだが、更なる誤解について述べておこう。それは戦略上の位置づけだ。
 古文は、地方上級・市役所・警察、それと国立大学法人、それらしか出題されず、国家一般・国家専門・東京都・特別区などには出題されないということで、重要度が低く見られる向きがある。
 しかしながら、事実として、全公務員の8割が地方公務員であるがゆえに志望者の地方公務員になる確率が高いこと、それに心情としても、多くの人が地方公務員を第一志望としていること、これら2点から決して古文の戦略的重要性が高くないとは言えないはずだ。
 ましてや、先述のように、物理や化学よりも、いやそれどころか、文学・芸術や思想よりも、暗記事項が少ないのである。文学・芸術、あるいは生物などを勉強しておきながら、古文を勉強しないということは、どういうことであろう。戦略的にもこちらで点数を確保しようとする方が余程能率的だ。

 以上、こういうわけで、古文は過去問を解くべきであろう。ただ、どうしても古文にはアレルギーがあるという人は、それこそ1問しか出題されなので、捨ててもよいと思うが。勿体なかろう。

 ここで古文の勉強をする上で一つだけ難点を述べる。それは勉強しようにも勉強できる量が少なすぎて、勉強できないというものだ。
 こう言うと先述の「暗記事項が少ない」という話のように思うだろう。もちろん、それも含まれている。しかし、ここで言うのは「練習のための過去問の量があまりに少ない」ということだ。
 先述の通り、古文は地方上級・市役所などにしか出題されないが、これら試験は国家一般や特別区などと違い、試験主体が試験問題を公表していない。公表されていない試験の過去問は実際の受験者による証言のみで再現されている。したがって、古文含む文章理解はとてもじゃないが、そらで記憶できないので、過去問そのものが存在しない。わずかに問題集などにある地方上級・市役所の文章理解問題が、なぜ20世紀や平成10年代の古い問題ばかりかというと、遠い過去にわずかに公表されていた問題しか過去問が存在しないからである。
 それでも、現代文や英語なら公表されている問題を使って練習できる。古文だけが、公表されていない、公表される問題には出題されないので、過去問題が、つまり練習できる量が少ないということになる。(※ほんの数問なら近年のものでも再現問題がある。)

 したがって、どのみち勉強できる量は少ないし、力をつけるにもそんなに時間がかからないので、古文の勉強は直前期だけでよい。受験年の4月から初めてよかろう。
 いや、4月から始めるべきだ。古文学習の費用対効果は高いとは言えないが、比較的低いともいえないのだから。

 ⇒ 『公務員試験スピード解説 文章理解』:読者ページ

 ⇒ 『公務員試験 受かる勉強法 落ちる勉強法 2018年度版』(洋泉社)に掲載されたわたくしの問題集『スピード解説 文章理解』への評価

プロフィール

饗庭 悟 : AEBASATOL

Author:饗庭 悟 : AEBASATOL
自己紹介

☆お問い合わせは
aebasatol@yahoo.co.jp

カテゴリ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。